相続税

相続税の申告が必要な人は?

これまでは、「相続税は一部のお金持ちを対象にしたものだから、私には関係ない」と思っていた方が多いかと思います。

しかし、2015年度の税制改正により、相続税の基礎控除が縮小され、相続税の対象となる方が大幅に増えました。

都市部では、マイホームと老後のための貯金があれば相続税が課税される時代となり、相続税はお金持ちだけの税金ではなくなりました。

今回のコラムでは、相続税の申告が必要な人について見ていきたいと思います。

 

相続税の申告が必要な人

亡くなられた方が持っていた財産の合計額(相続税の課税価格の合計額)が、基礎控除額を超える場合には、相続税の申告をしなければなりません。

なお、申告の要否に使用する相続税の課税価格は、「小規模宅地等の特例」を適用する前の価格であることに注意が必要です。

 

相続税の課税価格とは

相続税の課税価格とは、簡単に言うと、本来の財産(預貯金、土地、建物、有価証券、会員権、貴金属など)に、みなし相続財産(死亡保険金、死亡退職金など)を加え、債務(債務や葬式費用など)を引いた後の価格です。

 

基礎控除額とは

相続により取得した財産が、基礎控除額を超えると相続税の申告義務が生じます。

相続税の基礎控除額は、平成27年1月1日以後の相続から次の算式により計算されます。

相続税の基礎控除額

例えば、相続人が配偶者と子2人の家族であれば、法定相続人が3人ですので、4,800万円までは申告する必要はありませんが、4,800万円を超えると相続税を申告しなければなりません。

 

申告をしなければ適用が受けられない特例

次の特例の適用を受けるためには申告が必要となります。

・配偶者の税額軽減

・小規模宅地等の特例

なお、上記の特例を受けた結果、納付する相続税がゼロになったとしても、申告書を提出する必要があります。

 

申告期限

申告義務のある各相続人等は、その相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内に、被相続人の死亡時の住所地を所轄する税務署に申告書を提出しなければなりません。

例えば、1027日に死亡した場合には、翌年の827日が申告期限となります。なお、この期限が土曜日、日曜日、祝日などに当たるときは、これらの日の翌日が期限となります。

 

遺産分割が成立しない場合の相続申告

相続税の申告の申告期限までに遺産分割が成立していない場合は「法定相続人が法定相続分どおりに財産を取得したものとして」相続開始後10ヶ月以内に相続税の申告・納付を行わなければなりません。

 

申告期限までに遺産分割が成立しない場合は特例の適用受けられないの?

「配偶者の税額軽減」や「小規模宅地等の特例」等の適用を受けるためには、その適用を受ける財産について遺産分割が成立している必要があります。

したがって、申告期限までに遺産分割が成立していない場合、法定相続分で財産を取得したものとして、特例を適用しないで相続税を計算し、申告納税することになります。

つまり、遺産分割で揉めると、これらの特例を適用せずに計算した多額の相続税額を納付することになりますので、納税資金には注意が必要です。

 

もっとも、相続税申告期限以後3年以内に遺産分割が成立すれば、分割が行われた日の翌日から4か月以内に「更正の請求」という手続きにより、特例の適用を受けて税額計算をやり直すことができます。更正の請求により、一度納税した相続税が還付されることになります。

ただし、その期間を過ぎてしまうとこれらの特例は受けることができませんので注意が必要です。

 

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